ブックタイトルPIPE SUPPORTS 管系支持装置

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概要

PIPE SUPPORTS 管系支持装置

3 リジットハンガ3・1 リジットハンガの使用方法リジットハンガは、一般に垂直方向の変位の少ない個所に使用されますが、高温度の配管または機器にも特殊な用途として多く使用されています。使用方法を大別すると次の4種類に分けられます。① 常温(20℃)で運転される配管に使用します。この場合は内部流体が常温であり、停止時、運転時を通じて、温度変化がないか、または無視できるので、配管の熱膨脹による変位は発生せず、剛体と考えられるリジットハンガで重量を支持します。② 比較的高温で運転されるが水平部分が長い配管に使用します。工場用蒸気や補助蒸気配管のように水平部分が長く軸方向の熱膨脹が大きくても、垂直方向の変位が非常に少ないかまたは無視できる場合に使用します。このような配管のときは軸方向の変位をエキスパンション・ジョイントまたはUベントで吸収させるように配管設計をし、ローラースタンドで重量を支持し、変位を拘束しないような配慮が必要です。③ 非常に高温の配管の変位のない個所に使用します。高温、高圧配管であっても、垂直部分が長い場合には、上部は上方向に、下部は下方向に移動しますから、その中間には垂直方向の変位のない個所が存在します。この点にリジットハンガを使用すれば、経済的に非常に安価でしかも大重量を支持することができます。この場合には熱膨脹により非常に大きな反力が発生することもあるので支持重量に加算して、ハンガの容量を決定しなければなりません。④ 高温配管系で変位を制限する必要のある個所にレストレイント(ストッパー、アンカ)として使用し、重量支持を主目的としない場合があります。3・2 リジットハンガの構成と使用例リジットハンガは、屋内の場合には上方から配管を吊り下げるハンガが、屋外のときはラック上面で配管を下方から支えるリジットサポートが一般に使用されます。リジットハンガの構成は、使用個所により千差万別の形態をとりますが、その代表的な使用例を図4・6に示します。3・3 リジットハンガについて特に注意を要する事項リジットハンガは、構造が簡単で比較的大きな負荷荷重を持たせるので、経済的ではありますが、その反面フレキシビリティがないために、急激な振動または衝撃の加わる個所では大きな欠陥を持つことになります。さらに予期しない熱膨脹による垂直変位が発生すれば、大口径、大重量管であればあるほど、配管のばね定数が大きいためハンガには大きな荷重が加わり、ロッドその他の切損事故になる可能性があります。リジットハンガの支持荷重は単に配管の重量だけでなく、熱膨脹により生ずる反力、地震動による反力などの複合した条件をも加味したものとする必要があります。表4-6は十分な安全を見込んだ吊ロッドの負荷容量であり、使用温度は350℃以下で使用します。表 4-6 ロッドの負荷容量表ロッド径(mm)   最大許容荷重(kN)12 5.0016 9.4120 14.724 21.130 33.836 49.542 61.048 80.456 110.064 147.072 190.080 239.090 304.0100 388.04. 管系支持装置の構造と機能21