ブックタイトルPIPE SUPPORTS 管系支持装置

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概要

PIPE SUPPORTS 管系支持装置

5・2 標準型油圧防振器の種類前項で述べた通り、油圧防振器の性能は広範囲ですが、比較的広範囲の振動に対して効果を期待できる形に標準化した油圧防振器が用意されており、ポペット弁型、オリフィス弁型、チェック弁型の3種類があります。その性能別用途別概要を表4-7に示します。?ポペット弁型油圧防振器  ポペット弁型油圧防振器は配管系や機器の熱膨張によるゆるやかな移動に対しては小さな抵抗力で追従し、地震などによる振動に対しては所定の抵抗力を発生し、配管や機器を拘束するオイルロックタイプの油圧防振器(耐震支持可変レストレイント)です。配管や機器が各種の運転条件で発生する荷重に対しても十分に対応するものですが、その基本性能はポペット弁の作動によるもので、引張、圧縮のそれぞれに作動するようシリンダの両側からのバイパス回路に対向に設置されています(図4・11a参照)。弁はばね力によって常時“開”の状態になっており、熱移動によって動かされるピストン移動によって生ずる圧力には打勝って抵抗を発生しないしくみになっています。  地震などの振動によるピストンの急激な移動(1~4mmの振幅をもつ振動変位)に対して弁が油圧により“閉”の状態となり抵抗力を発生します。図4・8にポペット弁の性能を示します。?オリフィス弁型油圧防振器  オリフィス弁型油圧防振器は弁部に定オリフィスを組み込み、振動のエネルギーを油圧により吸収、減衰させ、共振等に効果があります。 オリフィス型の抵抗力Fは次式で表されます。 F=      v+     v2       ここで ν=ピストン速度m/s           Α=シリンダ面積m2           a =オリフィス面積m2           Ι=オリフィスの長さm           μ=油の粘性係数mPa・s           ρ=流体密度kg/m3           δ=圧力降下係数  通常この型式はダッシュポットと呼ばれ、流体が狭い通路を通過するときのエネルギー消耗を利用するものです。式の第2項が主として有効となるが、弁の構造によっては式が変ります。  オリフィス弁の構造は図4・11bに示すように、ばね力により弁本体は常時閉の形となっており、ピストンが作動すると作動側のオリフィス弁が弁座に強く押され、作動油は弁のオリフィス穴からのみ流出し、反対側の弁をばね力に打勝って押戻し油が反対側のシリンダ内に流入します。  図4・9にオリフィス弁型の性能を示します。8πμIA2a2ρδA32a2図 4・8 ポペット弁型性能線図F :抵抗力t :抵抗力が発生するまでの所要時間(sec)δ1:ピストン初期移動量(通常2mm以下としている)δ2: 弁のプリードレート用孔による移動速度(通常0.5mm/sec以上としている)F :抵抗力t :抵抗力が発生するまでの所要時間(sec)δ1:ピストン初期移動量δ2:定格抵抗力発生時の移動量図 4・9 オリフィス弁型性能線図4. 管系支持装置の構造と機能25