ブックタイトルPIPE SUPPORTS 管系支持装置

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概要

PIPE SUPPORTS 管系支持装置

7 ばね式防振器7・1 型式と使用方法コイルばねを使用した防振器は大別して2種類に分けることができます。(図4・16参照のこと。)図4・16aは1個のコイルばねで、振動による圧縮、引張両方向に対抗できるように、プリロードを加えてケースの中に封入されている型式のものです。図4・16bは同じ性能のコイルばねを2個使用した防振器で、高い防振効果で、高い防振効果を発揮します。図 4・16a VCD型                 図 4・16b VCK型7・2 特性VCK型防振器は下記のような機能によって防振効果を発揮します。2個のコイルばねの自由長さをLf、ばね定数をK、図4・17-?において、コイルばねの取付長さをLとします。つまりそれぞれ(Lf-L)だけ調整ナットによって圧縮されているものとします。 コイルばね⑤はA方向に(Lf-L)Kという力を、 コイルばね⑧はB方向に(Lf-L)Kという力を、それぞれパイプクランプを通じて管に作用するため、相互に打消しあって、運転状態では管には何等の力も負荷されません。配管が振動して、図4・17-?のようにB方向にδBだけ移動する場合を考えると、 コイルばね⑤はA方向に〔Lf-(L-δB)〕Kという力を、 コイルばね⑧はB方向に〔Lf-(L+δB)〕Kという力を、管に作用させるから、この二つに力の差は〔Lf-(L-δB)〕K-〔Lf-(L+δB)〕K=2KδBとなって、A方向に管を引戻そうという力が働くことになります。コイルばね⑤、⑧を2個使用することにより、管の単位長さ当りの変位に対し、上記のように、ばね定数の2倍の防振力が作用するわけで、この2Kを防振係数と呼びます。図4・17-?の場合は、A方向へのδAの変位に対して、コイルばね⑤が自由長さのLfに等しくなって遊んでしまうと、防振係数は2Kではなく、Kになります。このため取付状況において予め予想される振動の振幅に十分適応できるよう、コイルばねに(Lf-L)Kだけのプリロードを加えておく必要があります。図4・19は、予想される配管の振動振幅に対して、プリロード(Lf-L)Kをどれだけ取ったらよいかを検討するためのVCK型防振器の特性曲線です。図はVCK1-8型を例にとったもので、横軸下側のTはばねの最大撓み量を示し、上側のSはプリロードを加えたときのばねの圧縮量を示しています。この防振器は、ばね定数K=156N/mm、防振係数2K=312N/mm、ばね1個の最大トラベルT=90mmの性能を持っています。今、2個のそれぞれのばねを15mmだけ圧縮して運転状態で配管に取付けた場合に、図中太線で示されているとおり配管の片振幅が15mmまではO~Aをたどり、防振係数2Kが働きそのときの防振力は15×2K=4680Nとなります。配管が15mm以上の変位に対しては一方のばねが遊ぶことになるので配管におよぼす力はK×T(トラベル)となりA~B線のようになります。またこの防振器が最大トラベル(90-15)=75mmの点で配管におよぼす力は14.0kNとなり、それ以降はリジットになります。30