ブックタイトルPIPE SUPPORTS 管系支持装置

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概要

PIPE SUPPORTS 管系支持装置

2・3 配管系の振動配管系や機器は、下記①~⑥の原因により振動または衝撃が発生する可能性があります。① 流体の不規則な流れによるもの、あるいは流体が曲管部を通るときの運動量の変化による周期的外力によるもの。② ポンプ、コンプレッサー、タービン等の回転または往復運動機械のアンバランスによる機械的振動によるもの。③ 屋外の配管や機器が風圧により振動するもの。④ ウォーターハンマによるもの。⑤ 地震によるもの。⑥ 船舶においては船体の揺動によるもの。これらの外力による振動が配管系の固有振動数に近い場合には配管系が共振を起しさまざまな障害を配管や機器に発生させます。特に地震については配管系の受ける損傷を最小にするため、想定地震の加速度を入力して配管の振動を少なくするため耐震計算を行い、剛支持の計画を行う必要があります。熱膨張が少ない配管系は固定支持により剛性を保つことができますが、熱膨張を有する配管において配管を固定することによる熱応力の増大を無視することができません。そのために熱膨張は許容し、加速度を受けるときには固定支持の役割を果すスナッバが設置されます。スナッバは現在油圧式(油圧防振器)と機械式(メカニカル防振器)があり配管系や機器の耐震支持として使用されています。2・4 管系総合解析設計手順で述べた立体配管図の作成により、各支持点の位置が設定されると、支持荷重の計算、移動量の計算が行なわれます。また次項に述べる各種計算が行なわれ計算のアウトプットによって必要とされる荷重データがすべて用意できます。特に現在のように耐震支持設計のためには自重応力解析のみならず、レストレイントおよびスナッバの設置により熱条件と耐震条件の両者を満足させるためいくつかのケースワークを計算段階で行うことになります。当社においてはオリジナルプログラム「DAPS」(静解析)と「SRAC」(動解析)を用いて解析を行い、応力評価プログラム(原子力用・火力ケミカル用)を使って総合評価を行っています。管系支持装置の設計における設計データがすべて用意できると同時に配管の安全性を保証するすべての解析が可能です。DAPS・SRACの概要を以下に紹介します。2・4・1 解析方法静解析では、配管系構造物を変位法により連立方程式の形で下式の様に作成し、LDU分解によりこれを解いています。{F}=〔K〕{D}+{F}T+{F}CS+{F}W   ? ここで{F} =節点外力ベクトル    [K] =剛性行列    {D} =節点変位ベクトル    {F}T =熱膨張荷重ベクトル    {F}CS =コールドスプリングベクトル    {F}W =重力荷重ベクトル上式は熱膨張荷重、コールドスプリング荷重、重力荷重が含まれているが、計算に必要な項だけ残し、他の項を0とします。動解析では、スペクトル・モーダル解析法を採用しています。この方法は、まず固有値解析を行い、その結果に基づいて、設計地震あるいは擬似地震による応答スペクトルを使って応答を計算します。質量としては集中質量系を採用し、モード毎の応答の重ね合わせはROOT-MEAN-SQUARE法を使っています。尚、静解析は、プログラムDAPSで行い、動解析はプログラムSRACで行います。2・4・2 静解析① 熱膨張荷重、コールドスプリング荷重、重力荷重を任意に組み合わせた計算が可能です。② 同じ荷重の組み合わせに対しても境界条件(例えば端点移動量)を変えた計算が可能です。③ 静的震度の計算が震度を変えて行う事が出来ます。2・4・3 動解析① 固有値の打切りは、次数および振動数で指示出来ます。② 応答解析はX、Y、Zに任意のスペクトルを、任意の比率で考慮出来、重ね合わせる次数は指示する事も出来ますが、指示がなければ求めた次数までで重ね合わせます。③ 応答解析は一つの固有値解析に対して、複数個行う事が出来ます。④ スペクトルは変位、速度、加速度のいずれでもよく、複数のスペクトルが入力可能です。⑤ 配管の分布質量は、自動的に集中質量に置き換わりますが、更に付加質量(回転質量も含めて)を考慮する事が出来ます。⑥ 配管の任意の点に別の直交座標(局部座標)を定義して、質量を付加出来ます。5. 管系支持装置の設計37