ブックタイトルPIPE SUPPORTS 管系支持装置

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概要

PIPE SUPPORTS 管系支持装置

2・2 支持装置の荷重変動率配管の自重を支持するハンガにはその特性によって、1)コンスタントハンガ、2)スプリングハンガ、3)リジットハンガの3種類に区別することは表1-1に示す通りですが、その特性として重要な点は配管の熱膨脹によって垂直方向に生ずる運転時変位、冷間時変位が支持力に変化を与えます。これを荷重変動率(Variation, Variability)と言い、次式で示されます。V=│k×Tr│×100(%)Wh=│Wh-Wc│×100(%)WhV:荷重変動率Wh:設計荷重(通常は運転時荷重)Wc:冷間時荷重図1・2は配管系の各支持点の移動量に対する荷重変動率を示したものです。図について説明しますと、①のコンスタントハンガはX-X軸と重なっており、荷重変動率は理論上0%となります。⑤のリジットハンガはY-Y軸と重なっており、荷重変動率は無限大となります。その間に各種変動率のスプリングハンガが無数にあるわけで、現在当社の標準型として一般に広く使用されている3種類のものを②、③、④に示します。この図で、たとえば荷重変動率20%とした場合、それぞれのスプリングハンガが配管の支持点移動量何mmまで使用できるかの範囲を示しています。荷重変動率を何%にするのがよいかは配管設計自体にも関連することで、配管系の仕様(寸法、材質、温度、圧力)および機器接続点の条件などによって左右されます。現在一般に広く採用されている値は20~25%であり、MSS規格でも最大25%としています。図 1・2 各種ハンガの荷重変動率2・3 支持装置によって生ずる[転移荷重]今、機器?~機器?への配管系(A-B-C-D)がある時、運転時に内部流体の熱影響を受け、配管は熱膨脹を生じ、AB'-C'-Dと変形し、支持点EはE'にδだけ変位します。(図1・3)運転時に配管系の自重をE'点(H-1)のハンガですべて支持するものと設計すれば、端点A、Dには配管系自重は残らないでバランスします。しかし、この時H-1にばね定数Kのスプリングハンガを使用すると、スプリングハンガはその特性からE点とE'点では(K×δ)分の支持荷重差を生じます。配管系自重は変化しないため冷間時に生じた荷重差はA、D点へ負荷されることとなり、合計の支持荷重で配管系自重とバランスします。この生じた荷重差を転移荷重といいます。(厳密には配管自体の剛性が考慮され、配管形状により多少の増減がありますが、配管の剛性と比較し、ハンガばね定数がはるかに小さいので簡易的に示します。)図 1・36