ブックタイトルPIPE SUPPORTS 管系支持装置

ページ
8/204

このページは PIPE SUPPORTS 管系支持装置 の電子ブックに掲載されている8ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

PIPE SUPPORTS 管系支持装置

3 管系支持装置の分類管系支持装置は従来種々の呼び方が併用されています。配管系に対する基本機能(用途)で大分類し、さらに管系支持装置自身の機能および構造の違いから小分類を行い、次の様に全体を理論的に体系化しています。(図1-4,表1-1参照)3・1 ハンガ(HANGER)またはサポート(SUPPORT)配管系及び機器の自重を支持するために使用する装置類です。一般には吊下げ型をハンガと称し、床置型をサポートと称して区分しています。①コンスタントハンガ(CONSTANT HANGER) コンスタントハンガは、指定されたトラベル(管系の変位量)の範囲内で、管系の上下の移動に対して、つねに指定された一定の荷重で配管を支持することができるパイプハンガで、熱膨脹による管系の変位の大きいところおよび転移荷重を少しでも小さくしたい箇所に主として使用されます。通常「CH」と略称されます。②スプリングハンガ(SPRING HANGER) 管の垂直移動に対して、その支持荷重が変化するハンガの総称であり、転移荷重による応力が管系の応力に悪影響をおよぼさない箇所に使用することが望ましい。特に管系のフレキシビリティが非常に大きい場合には、転移荷重による応力変化が小さいときでも、管系に撓みが生じることがあるので、厳密に検討する必要があります。通常「SH」と略称されます。③リジットハンガ(RIGID HANGER) 伸縮性のないハンガで、配管系自重を支持するために使用される装置です。 別項に示す標準化された部品の組合せのみで構成するタイプ(COMPONENT TYPE)から鋼材の組合せで構成するタイプ(STRUCTURE TYPE)まで、多種多様な形状を持ちます。通常「RH」と略称されます。3・2 レストレイント(RESTRAINT)熱膨脹により生じる配管系の三次元の熱変位に対し、任意方向の変位を拘束あるいは制限するため使用する装置類です。④アンカ(ANCHOR) レストレイントの中で、特に三次元の変位・回転すべてを完全に固定するために使用する装置で、完全固定のため解析等では特別に取扱います。通常「AN」と略称されます。⑤ストップ(STOPPER)、⑥ガイド(GUIDE) 配管を拘束・制限する上で任意方向の変位を制限する装置をストップ、任意方向にのみ変位を許容する(他方向については拘束・又は制限)装置はガイドと呼ばれ、通常「RE」と略称されます。⑦ロッドレストレイント(ROD RESTRAINT) 機能面から正式には、RIGID STRUTと呼ばれます。配管系の任意方向の変位を拘束するために使用する装置です。従来、リジットハンガをロッドタイプ等で代用していたものを標準化した装置で、両端を球面構造とする等、多方向回転等の自由度に配慮されています。通常「RE」で包括されています。3・3 スナッバ(SNUBBER)配管系の熱変位を拘束することなく、地震等による配管系の振動を防止、減衰するために使用する装置類です。特に安全弁吹出反力等、一定方向の力を対象とするスナッバは緩衝器(SHOCK ABSORBER)と呼ばれています。⑧メカニカル防振器(MECHANICAL SNUBBER) 原子力プラントの環境条件から最少のメンテナンスで供用可能なタイプとして開発された装置で、地震等で入力されたエネルギーを慣性を利用して機械的に制限するタイプの装置で、通常「MS」と略称されます。⑨油圧防振器(HYDRAULIC SNUBBER) 地震等で入力されたエネルギーを、油圧を媒体として流量制御することにより、制限するタイプの装置で、通常「HS」と略称されます。⑩油圧緩衝器 安全弁の吹出し等、短時間で急激に、かつ一定方向にのみ発生するエネルギーを吸収するタイプの装置であり、油圧防振器と同一機構をもった油圧緩衝器に代表されます。3・4 ブレース(BRACE)配管系に生ずる地震等による振幅が大きく、10kN以下程度の比較的小さなエネルギーの振動を減衰させるため使用する装置類です。⑪ばね式防振器 振動のエネルギーをコイルスプリングの撓みと荷重の直線的性能を利用して減少させる装置で、通常「VE」と略称されます。1. 管系支持装置の基本7